山岳テント2人用候補

テント村

今後の山行に向けて、2人用の山岳テントが欲しくなってしまいました。
最近のテントは2人用で重量2kgを下回るのは当たり前、ソロテントなら1kg以下の超軽量テントまであります。
せっかく新しい「家」を選ぶのだから候補を比較してみる事にしました。

※その他ではツェルト、1ポールテント、フロアレスシェルター等様々なスタイルがありますが、今回候補のテントは「2人用の自立式テント」を対象としています。

 2人用テントの必要性

僕の登山はいつも嫁と2人で行くか、単独がほとんど。
現在所有のテントは3人用の「ステラリッジ3」と、極めてミニマムな1人用の「フライクリークUL1 EX」。その中間である2人用がまだ無いのである。

テント2種               ステラリッジ3              フライクリークUL1 EX

初めに3人用を購入した経緯は、「まずは3人用で慣れてからの方がいいですよ。」と店員に進められたという単純な理由です。初めてのテント購入、180cmオーバーの僕の身長を見ての推奨だったのでしょう。

そして6年間、「重い、パッキングサイズがでかい」とブツブツ言いながらステラリッジ3を担いできた。ペグ、グラウンドシートも含めると総重量は約2.7kg。しかし室内の幅は180cmと大変広く、居住性は申し分無い。スリーブ式、テンションコードで耐風性にも強いステラリッジ3は安心の「我が家」であり、これまで何度も快適な夜を提供してくれた。本当に信頼できるテントである。
ステラリッジ3に関しては今後の縦走登山では出番が少なくなりそうだけど、北八ヶ岳の白駒池や、甲斐駒や仙丈ケ岳の登山口となる北沢峠など、出発からキャンプ地までの距離が短く、ベースキャンプとしての使用だったら出番は多いと思う。

でも最近は縦走登山を経験する度、ここまで広いスペースは必要ない、パッキング技術も含めテント泊にも慣れてきたし、そろそろ2人用の購入を考えるのも当然であった。

2人用テントは大人2人が寝れるぴったりのサイズに作られている。ソロで使う場合には、1人分の空いたスペースにザックやギアを置いても余裕で寝っ転がることが出来る。
1人〜2人どちらでも使え、ある程度の軽さ・居住性・剛性もバランス良く兼ね備えているのが2人用山岳テントの魅力だ。

 軽さと居住性のどちらを優先するか

山岳テントは「軽さ」と「居住性」が反比例であり、
重いテントは剛質で快適、広さも十分。しかし行動時はずっと背負ってなければならないのがテント。体力的に負担がかかり、それが安全登山の妨げにもなりかねない。

対する軽量テントは、「広さ」や素材の厚さ、耐久性を若干犠牲にするも、日本の高山で最低限の寝床を確保してくれる。(よほどの悪天候は別として)撤収時間も早くパッキングもコンパクト。荷物が500g~1kgも軽くなるのは、一日何時間も歩き続ける登山において、体にかかる負担の違いは明らかである。

2012年、単独で南アルプス・塩見岳へ行った時、ステラリッジ3ではさすがに大きすぎた(笑)
設営するのもパッキングも一苦労。ベースキャンプとしての使用だったのでまだ良かったが、思い返せばあの頃から2人用テントが欲しいなと考えていました。

2013年、単独で北アルプス・裏銀座を4日間かけて縦走した時、フライクリークUL1 EXの1kgを切る軽さには相当助けられた。小さいテントのお陰で、混み合うテント場のなか設営場所の選択肢を増やしてくれた。前室や室内は当然狭く、天井も低い。でも寝るだけなら十分快適なテント。すぐに撤収できるので出発時も素早い行動につながった。

  現在所有のテント

  mont-bell ステラリッジ3
2009年モデル
BIG AGNES Fly Creek UL1 EX
ノーメッシュ 2013年モデル


サイズ 180(W) x 210(L) x 113(H)cm
前室 65cm
107(W) x 218(L) x 97(H)cm
前室 58cm
最少重量 2,240g
(総重量:2,410g)
912g
(総重量:1,035g)
素材 フライ素材:30Dバリスティック®ナイロン・リップストップ
耐水圧1,500mm
インナー素材:40Dバリスティック®ナイロン・リップストップ
耐水圧 不明
フライ素材:シリコンコーティング・ULリップストップナイロン
耐水圧1200mm
フロア素材:シリコンコーティング・ULリップストップナイロン
耐水圧1200mm
構造 スリーブ式 長辺ドア×1
ダブルウォール
ノーメッシュ
吊り下げ式 短辺ドア×1
ダブルウォール
ノーメッシュ
参考価格 42,000円くらいの記憶 44,280円(税抜)

※最少重量=本体+フライ+ポールです。
※総重量=最少重量+ペグ+ガイライン+スタッフバッグ
スペック値は実測ではありませんのでカタログ値を参考とした目安となります。

【一般的な耐水圧の目安】
20,000mm — 嵐  10,000mm — 大雨  2,000mm — 中雨  300mm — 小雨
傘の耐水圧:250mm程度だそうです。

 希望条件

最少重量は1600g以下
→ペグ・スタッフバック・グラウンドシート込みで2kg以下を希望。
ステラッリジ3より1kgは軽くしたい。

ダブルウォール
→シングルウォールに比べて結露しにくい点が一番大きい。日本アルプスのテント場は森林限界が多く天候も雨が多い為、外部からの水の浸入を防いでくれる。基本的には2人で使用する場面が多いのでそれぞれの靴やギアを置く場所、煮炊きをできる前室がある方を希望。
(ニーモのANDI などシングルウォールでも前室付きがある)

本体(インナー)
→室内気温が高いノーメッシュ希望。主に残雪から晩秋までの3シーズン、低山なら12月~2月の使用も想定しています。
ハーフメッシュのハイブリットはどうなんでしょうかね。一応候補に入れてみます。

吊り下げかスリープ式か
→耐風性が若干劣るけど設営・撤収の容易さから今ですが今回は吊り下げ式を希望、スリープ式でももちろんOKです。

天井高について
→1m以上を希望 身長183cmの僕には1m以下はきついっす。。

ドア構造
→長辺側ドアを希望。長辺側のドアは大きく開放感があり、全開すれば換気も楽々。前室も短辺側ドアタイプより広い構造だ。夜中トイレ行く時に一人またがないと出れないなどの出入りの都合については余り気にしません。耐風性の違いもあるかと思いますが、居住性を優先しての選択です。

 

 条件に近いテントをピックアップ

  MSR HUBBA HUBBA NX NEMO TANI 2P アライテント トレックライズ2



サイズ 127(W) x 213(L) x 100(H)cm
前室 76cm
130(W) x 220(L) x 107(H)cm
前室 80cm
150(W) x 210(L) x 110(H)cm
前室 不明
最少重量 1,540g
(総重量:1,720g)
1,560g
(総重量:1,695g)
1,680g
(総重量:1,880g)
素材 フライ素材:20Dリップストップナイロン
耐水圧1,200mm
フロア素材:30Dリップストップナイロン
耐水圧3,000mm
フライ素材:20D PUナイロン
フロア素材:30D PUナイロン
耐水圧5,000mm
フライ素材:30D リップストップナイロンPU
本体素材:28D リップストップナイロン(東レ『ファリーロ』中空糸)
構造 吊り下げ式 長辺ドア×2
ダブルウォール
上部のみメッシュのハイブリット
吊り下げ式 長辺ドア×1
ダブルウォール
ノーメッシュ
スリーブ式 長辺ドア×1
ダブルウォール
ノーメッシュ
参考価格 49,000円~ 52,000円(税抜) 46,500円(税抜)

 

ハバハバNX

ハバハバNX インナー

ハバハバNX インナー

MSRについては実はハバハバHPが以前よりずっと欲しかった。
2014年のカタログ見たらNXとなりインナーはノーメッシュから半分メッシュのハイブリットに変更された。素材の厚さと耐水圧が変わり重量は軽くなりました。
フライの耐水圧は1000mm→1200mmへ上がってましたがこの微妙差はよくわかりません。
フロア耐水圧は10000mm→3000mmへダウン。
Y時型ポールの耐風性がちょっと気になるところ。クロス型と比べてどうなんでしょうか。以前、蝶ヶ岳の強風でテントポールが曲がってしまった経験があるので心配。中央横のポールで移住空間が大きく確保され、さらに2ドアってすごい便利そうです。デザインは本当に格好良いですね。

 

NEMO TANI2P

以前「OBI2P」を購入寸前まで行って、やっぱりハーフメッシュを悩んでやめてしまった。
そこで登場したのが「日本の山岳用テントの新たなスタンダード」と銘打って登場したTANI2P。

今回の候補の中でバランスが最も良いテントだと思う。吊り下げ式で天井も107cmと高い。
心配なのは、ポールの差し込み部分がプラスチック素材である事。
混雑で密集するテント場で踏んで(踏まれて)破損したらアウトです。
スペアパーツが売られているならより安心なんですが。フライシートのグリーンは好みの色です。テント内でも落ち着いて過ごせそうですね。

ちなみにイエローのフライシートは虫を呼び込むと良く言われますが、ステラリッジを使って確かにそうだと思いました。だからと言ってグリーンは虫が来ないのかと言われれば、そうでもなく普通に虫はきます。

TANI2Pインナー

TANI2P インナー

OBI2P インナー

OBI2P インナー

TANI 2P連結部分

TANI 2P ポール連結部分

 

 

 

 

 

 

 

2015年はTANI LS 2P が発売されました!

この記事で紹介している従来のTANI 2Pと同等の強度を維持しながら大幅な軽量化(約330g)を実現しています!

 

アライ・トレックライズ2

トレックライズ2 外観

トレックライズ2 外観

アライ・トレックライズは初めてのテント購入時に候補にしていました。エアライズと合わせて不動の人気です。
長辺が150cmとゆったり、入口も大きく天井も110cmと候補の中で一番の高さ。それなのにこの軽さ。
もし最初にこれを買ってたら、他のテントを買わなくて済むんじゃないかと思う程です。

2人用ならトレックライズ2、ソロで使うにはトレックライズ1でしょう。
事前にシーム処理を自分で施さなければいけませんが、愛着がわき道具を使う楽しさを教えてくれそうです。

あと3種ほど候補を挙げました↓

 

  HILLEBERG アンヤン2 mont-bell ステラリッジ2 プロモンテ VL-25



サイズ 130(W) x 220(L) x 100(H)cm
前室 110cm
130(W) x 210(L) x 100(H)cm
前室 55cm
120(W) x 205(L) x 100(H)cm
前室 60cm
最少重量 1,569g
(総重量:1,685g)
1,420g
(総重量:1,650g)
1,450g
(総重量:1,665g)
素材 Kerlon1000
(10kgの引裂強度)
フライ素材:30Dバリスティックナイロンリップストップ
耐水圧1,500mm
フロア素材:30Dバリスティックナイロンリップストップ
耐水圧1,500mm
フライ素材:20Dポリエステル
耐水圧1,200mm
インナー素材:20Dポリエステル
耐水圧3,000mm
構造 スリーブ式 短辺ドア×1
本体+フライ一体型
ノーメッシュ (一部メッシュ箇所あり)
スリーブ式 短辺ドア×1
ダブルウォール
ノーメッシュ
吊り下げ式 長辺ドア×1
ダブルウォール
ノーメッシュ
参考価格 73,000円(税抜) 38,953円(税抜) 43,000円(税抜)

 

ヒルバーグアンヤン2

anjan 2  内部 

anjan 2 内部

アンヤン2はNalloの軽量型。面白いフォルムですね。非自立式ですがトンネル型の移住空間は天井も平ら。横壁が迫ってこないので広く感じる事ができる作り。
風にも強い形状だそうです。本体とフライが一体型(外すこともできます)なので設営も楽々。
前室も110cmと広い。なんて個性的なテントでしょうか。フライのカラーはレッドかグリーンの2択。

ヒルバーグテントはアクト、ウナ、ソウロなどショップやテント場で見た事ありますが、こちらはまだ現物を見た事がない。
でも一度中に入ってみたい!と思うテント。価格はそれなりです。
前室も合わせると長さ3.3m!アルプスの込み合うテント場や涸沢のようなガレ場では設営場所を探すのに一苦労しそうです。

 

mont-bell ステラリッジ2

ステラリッジ2 外観

ステラリッジ2 外観

ステラリッジ2 スノーフライ

ステラリッジ2 スノーフライ

 

 

 

 
ステラリッジ2。2012年に入口が短辺側になり、ポールも「DAC社」へ変更。
400gも軽量化された。広さ、重量、構造、30Dのまま強度を上げたフライ、全て兼ね備えてこの価格。

オプションのスノーフライで厳冬期も使用可能。2人用テントのお手本のようなものでしょうか。
唯一のデメリットは換気が悪そうです。これは短辺入口のテント共通なので仕方ないのですが、だからこそ他のテントメーカーには無い一工夫を入れて欲しいという願望も。

現在3型を所有しているのと、入口が短辺なので今回は購入候補から外してますが、素晴らしいスペックと価格で比較ぜずにはいられませんでした。

ソロで使う場合はステラリッジ1が良いですね。ここまで軽量化してこの価格かと。自立式、安心のダブルウォール。
小さいのでテント場でもスペースは取りません。数日間かけて天候も変わる縦走用に最適でしょうね。日本の山岳地帯ならどこでも対応しているのではないでしょうか。

 

プロモンテVL25

世界初の吊り下げ式テントを開発した「ダンロップ」の技術を継承したアウトドアメーカー「HCS」が2005年に立ち上げたプロモンテ。ちょっとややこしいですが、吊り下げ式の本家本元のようです。

ポリエステル生地、倒立スリーブ、左右から噛むスクリューフックなど他のメーカーでは見られない凝りまくった作りで、軽量と剛性を両立させている。テント場でもよく見かけるのも信頼されている証拠ですね。

スクリューフック

スクリューフック

倒立ポール

倒立ポール

VL冬用フライ

VL冬用フライ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どれを購入すべきか

わずかな差ですがそれぞれ一長一短ありますし、そもそも「完璧」なテントは最初からありません。候補に挙げたのはどれもバランスが良く素晴らしいテントばかりで悩みます。もちろんこの他にもたくさんの2人用テントがありますし、シングルウォールや総重量が2kg以上と視野を広げれば選択肢もどんどん増えます。これから先もリリースされていくでしょう。

目指すルート、縦走かピストンか。テント場の状況、山行時期、予算を絞れば自ずと答えは出ているのかな。あと色やデザインも重要。だから悩むんですけど。
幕営した時の格好良さに酔いしれ、自分の天幕から山を眺めながら飲む一杯。そんなシチュエーションを想像しながら。。 テント選びって本当楽しい!

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COMMENTS & TRACKBACKS

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  1. 初めまして。
    2人用テントの記事を読み、同じ様な候補をピックアップしているものですが、結局、何が決め手で何を選ばれたのでしょうか?
    特にMSR HUBBA HUBBA NXとNEMO TANI 2Pで悩んで居ますが、前者は春、秋は寒いのでしょうか?
    是非とも決め手や選択されたテントの使い心地など、教えて頂きたく宜しくお願い致します。

  2. 秋永さん
    初めまして、結局は積雪期使用を想定しTANI 2Pを購入しました。
    インナーメッシュテントでの秋冬は私も経験ありませんが、寒ければ着込むかシェラフでカバーされても良いのではないでしょうか。
    TANI2Pの移住性、使用性は非常に満足してますよ。

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