本格的な雪山はまだまだ初心者である自分が挑戦できる冬山は限られている。その中で天狗岳だけは今シーズン絶対に行ってやろうと意気込んでいた。
厳冬期の八ヶ岳は、北横岳~縞枯山、蓼科山に行っているので次のステップとしては良い経験になるはず。前日土曜日に多くの登山者が入山したお陰でトレースは確実に残っているだろうし、ヤマテンでも土日は晴れ予報だった。絶好のチャンス。
まずは渋の湯から出発。ここまでバスやタクシーが来る為かなり除雪されていた。
四駆ではないけどスタッドレスタイヤの普通車で来れた。
渋の湯駐車場前のトイレ。もっさり積もってます。
黒百合ヒュッテの発表だと、前日の積雪量は150cm、吹き溜まりで200cmとか。
寒いので早く体を動かしたい、という焦る気持ちを抑えてゆっくり登って行く。
まずはアイゼン無しで。でも所々スリップしたので出発から装着の方が正解だったかも。
まだ太陽が当たらない日陰の登山道。
キュッ、キュッ、っと雪を踏みしめる足音が静かに響く。
嫁のペースになかなか追い付かない。
前日は百蔵山~扇山のプチ縦走に行ったので疲労が完全に抜けてないようだ。
でも山を歩く感覚は昨日から続いてるので足取りは軽い。そして昨日と全く違う世界に新鮮さを感じる。
気温はマイナス10度。
ジャケットの襟と帽子のボンボンは霜だらけ。
ようやく、太陽の光が登山道に差し込んできた。
視界が開け、見事な青空が包んでくれる。この空が一気にテンションが上げてくれた。
白い世界の森を抜けると黒百合ヒュッテ到着。
結局ノーアイゼン、ダブルストックだけで来てしまった。
ヒュッテの中のカウンター。2年前の夏に来た時もここで休憩した。
今回もここで小休憩し、あったかい紅茶、パン、チョコなどを補給。
外の世界が嘘のようにあたたかくて静か。
ランプとお土産に囲まれた小さな部屋が癒してくれる。
これから出発する人。朝一で登頂してこれから下山する人。山荘の宿泊客。小屋の前が賑やかになってきた。
僕らも天狗岳へ向けてアイゼン・ピッケルを装備。
ここまでは風もなく穏やか。でも稜線に出れば風が強くなると思われる。
諏訪のコンビニで買った足裏用のホッカイロが大活躍。足の指先も全く冷たくない。
前日が土曜日だっただけにテントもたくさん張られてる。
サングラスしてたのでカメラの露出設定がかなりオーバーになってしまった。
雪山の適正露出は難しい。でもサングラス外すと眩しすぎるし。。
小屋から少し進んで中山峠。
中山峠から少し上がると、いよいよ天狗岳が姿を現す。男性的なピークを持つ東天狗岳。やはりここから風が強く吹き始めた。突き刺さるような冷たい風で顔面が痛い。
隣には丸っこい形をした西天狗岳。対照的な形の2つのピーク。
それぞれわずか300mの間隔しか空いてない。まずは東天狗の山頂へ。
遠くに東天狗への尾根道が見える。
一人が足を滑らせ斜面を転がっていくところを嫁が偶然見ていた。
入門コースと言えど、ここからは気を引き締めて行かねば。
結構急な箇所も。ゆっくりと1歩づつ上がって行く。
振り返れば遠くには浅間山。北八ヶ岳の全景も見渡せた。
稲子岳の南壁ってあれかな。 お、ニュウが見える。
てか風強い。。
蓼科山方面。小さいけど黒百合ヒュッテも眼下に見えた。
張り出している雪庇。雪が作る自然の形に圧倒されっぱなし。
山頂まで特に難しい所はなかったけど、山頂直下の岩が露出している所は少し注意が必要だった。
岩と雪のMIXで、アイゼンをひっかけてしまい前のめりに転倒している人もいた。
個人的には、5月残雪期の硫黄岳~赤岳の方が歩きづらくて難しかったと思う。
西天狗岳。背後には日本アルプスの雄大な景色。
ここから見る西天狗岳は真っ白。トレースを登りつめる登山者の姿まで見えた。
山頂見えた!!
東天狗岳登頂! 風強いけど天気最高!
ゴーグル、バラクラバは結局使わなかった。ゴーグルして一眼レフとかありえんしな。。
山頂から見た西天狗岳。
南アルプスも。左から北岳、甲斐駒、仙丈ケ岳。
蓼科山の向こうには 後立山連峰。
いや~天気良い! しかもこれからあの稜線を歩けるなんて。
山頂直下の急斜面は最後のふんばり所。
思ったよりきつくはないけど。
あの向こうに山頂が。
空に吸い込まれていくような景色。
登りきると西天狗岳山頂。北八ヶ岳で最も高い場所。
目の前には主峰赤岳、中岳、阿弥陀岳が。
東天狗岳に登る時からずっと見えていた御嶽山。
西天狗岳からだとさらによく見えた。
乗鞍から白馬まで白い壁のように見える北アルプス。
肉眼でもはっきりと見える穂高~大キレット~槍の稜線。
爺ヶ岳~鹿島槍ヶ岳。
西天狗岳の山頂は360度の大展望だ。
根石山荘。硫黄岳の爆裂火口も目の前。
西天狗岳山頂で風が止んだ。
雲一つない青空、2646mから眺める雪を被った日本の名峰。贅沢な場所でした。
しばらく景色を堪能し下山開始。
下山時に見える東天狗がめちゃくちゃカッコ良い!
スケールは違えど羽を広げた姿が鷲羽岳のようで。
分岐点。帰りは東天狗山頂へは寄らず左方向へ、巻き道で帰ります。
下山時も絶景続きで楽しかった。
あっという間に黒百合ヒュッテまで帰ってこれた。
帰りもヒュッテのカウンターに腰掛け、ビーフシチューをオーダー。
持参のパンにつけて頂いた。太陽の光が差し込み体もあたたまる。至福の時間。
あとは渋の湯まで降りるだけ。
モフモフの雪に足を踏み入れてみたり。
団体さんも多く、最後は50人程の行列に。
無事に帰ってきました。最初から最後まで素晴らしい雪の世界だった。
やっと行けました冬の天狗岳。
雪山入門の山だけに、日帰りでこれほど冬山の醍醐味を教えてくれるなんて良い山行となりました。これも全ては天候のお陰。冬山は万全の装備、天気とのタイミングが必要だけど、夏には見ることが出来ない青と白の世界は病みつきになりそうです。
あ~八ヶ岳。。素晴らしいとこでした。また来ます!お邪魔しました。
八ヶ岳 天狗岳 山行概要
日程 : 2015年1月25日
メンバー : 二人
主なピーク : 天狗岳 2.646m (西天狗岳の方が若干高い)
行動時間 : 約6時間20分(小休憩含む)
合計距離 : 約9.9km
【 コースタイム 】
6:50 渋の湯 – 8:30 黒百合ヒュッテ(休憩)9:05 – 10:05 東天狗岳 – 10:25 西天狗岳 – 11:20 黒百合ヒュッテ(小休憩)
黒百合ヒュッテ 12:00 – 13:10 渋の湯
とても良い山旅でしたね。
そそられました。日帰りで行けるんですね。
メモっときます。(笑)
サングラスしてるとカメラの露出・・、、よくわかります。
家に帰ってきて悔しい思いを僕もよくしています。
whitetipさん
こんにちは。ありがとうございます!
2年前からずっと行きたかったので、満足の行く山行となりました。
天気良ければ日帰りでも十分行けるコースだと思います。
真夏や雪山での露出設定は難しいですよね。
サングラスしてる上に、快晴だとモニターもよく見えなくて。
心配だから山頂では色んな露出値で撮りました。
コンデジのオートの方が優秀だったりします(笑)