GW 残雪の蝶ヶ岳~常念岳 テント泊縦走 DAY2

蝶ヶ岳~常念岳の縦走2日目。(一日目 三又~蝶ヶ岳ヒュッテはこちら

暴風の一晩が明けた。朝一番にテントを出ても視界は真っ白。
大きめの石を何個も重ね、絶対動かないようにと頑丈に縛り付けた張り綱もだら〜んと疲れていた。
下山の選択肢もちらつき始めた朝6時過ぎ、ついに青空が!

ずっと真っ白だった景色もようやく視界が開けた。蝶ヶ岳テント場ってこんなに展望良いんだ。

1204GW蝶ヶ岳-5強風は相変わらず収まらない。縦走を決行すると決めたからには早々にテント撤収。
最後に小屋の前で最終準備をして出発。既に蝶ヶ岳山頂を目指す登山者の列。(みんな小屋泊の団体さん)
さようなら蝶ヶ岳ヒュッテ、またきますよ〜!!

1204GW蝶ヶ岳-ヒュッテからすぐの場所にある瞑想の丘付近。
本当は穂高連峰の大展望が見える筈なんだけど、山頂のラインだけ隠れてしまっていた。

1204GW蝶ヶ岳-6不気味な雲に隠れた大キレット。

1204GW蝶ヶ岳-7まずは蝶槍に向かって稜線歩きです。ダイナミックな景色を見ながらのトレイル。

1204GW蝶ヶ岳-1しかし風が強い。

1204GW蝶ヶ岳-8蝶槍が見えて来た。数名の登山者も見えます。
その背後に見えるのでっかい山はこれから目指す常念岳。

1204GW常念岳-
ヒュッテから約1時間で蝶槍に到着した。穂高を眺める登山者。いいですね〜。
蝶ヶ岳ヒュッテに宿泊していた登山者の大半はここを目的地として引き返していった。

確かにここまでは登山道もまだまだ楽。
風も強いと言っておきながら、これからさらに強くなる強風と比べたら序の口。
今から思うと引き返すのが正解だったと思う。

1204GW常念岳-2蝶槍から見た常念岳。そして常念岳に向かって続く稜線。まだまだ先は長い。
特に最後の登りはここから見てもきつそうだ。

1204GW蝶ヶ岳-4
そして何と言ってもこのすごい風!常念岳山頂から右側へ伸びているはずの前常念が完全に隠れてしまっている。
写真の左斜面から舞い上がった風が稜線にぶつかり、雲を右側へ吹き飛ばしている様子が恐ろしいほど良く分かる。
山頂手前、最後の登りは強風の巣だ。これを見たら引き返す人の判断もわかる。
視界が悪ければ引き返したけど僕らは進む事に。

1204GW蝶ヶ岳-3穂高の上にはでっかい雲が終日停滞していた。

1204GW常念岳-1常念岳へ向かって何度かアップダウンを繰り返す。
時折、風が止んでくれている場所を見つけては小休憩。だんだん山頂直下の稜線に近づいて来たぞ。
まだ青空も見えている。

1204GW蝶ヶ岳-2いよいよ山頂までのあの稜線、岩稜地帯に来た。雪は全くない。(強風の為吹き飛ばされている)
アイゼンを外し、約2時間の登りが始まった。

これまでもすごかったけど、予想通りここは半端じゃない風だ。バランスを失うほどの突風が絶え間なく吹き付ける。
飛ばされない様岩にしがみつき、少し弱くなった瞬間を見計らって前進。これを繰り返しながらじりじりと登って行った。
特に70ℓのザック、重さ約18kgにもなる荷物を背負ってると、横に振られてしまって歩きづらかった。

山頂までまだまだ。ハートのペンキマークに励まされながら。

1204GW常念岳-3やった~あそこが頂上か!?っと登り切ると、まだまだ先に山頂が見える。
偽ピークが3回程あった。ちくしょ~最初に稜線の形をもっと良く観察しとけば良かった。

寒くなってきて体温も低下してきた頃、ようやく見えたぞ!!

1204GW常念岳-4いや~やっと着いた!強風さえなければ全然楽だったんだけど。
それでも絶景に大満足。山頂には誰もいなかった。

1204GW常念岳- (2)疲れも吹き飛び、しばし景色を堪能。

1204GW常念岳-9歩いて来たルートを振り返る。

1204GW常念岳-8ぽか〜んとでっかい雲。

1204GW常念岳-10
山頂の向こう側は見えてなかったので、ここを過ぎれば風は弱まると勝手に思い込んでいた。

あとはゆっくり常念乗越まで降りられるだろう。
そう信じてがんばってきたものの、何とここからが暴風の本番だったのだ。

山頂からの常念小屋への下山ルート。
もはや立てない程の半端ない風。立って歩くと数メートル横に流されてしまう。流された先は急斜面の崖。この状況で落ちたら命はないと思う。
ピッケルを地面に打ち付け、耐風姿勢までいかないものの、しゃがみながらなんとか耐える。

座りながらゆっくり進み、次の岩まで。
岩にしがみついて少し休む、また次の岩までなんとか進む。これの繰り返しだ。

トレイルは雪とアイスバーンと岩のMIX。ノーアイゼンだと滑って転倒しそうだし、
すぐに岩だらけの地帯になるし。それでも転倒して飛ばされる最悪を防ぐ為、何度もアイゼンンを付けたり外したりした。
もう景色なんて見てられない。風が凶器のように容赦なく襲ってくる。砂と小石と雪が舞い上がって顔面直撃。息もしづらい。なんだこの状況。

それでも停滞しててもしょうがないので、常念岳乗越にある常念小屋までなんとかがんばって降りて行く。
山頂から45分のコースタイムなのに2時間医所かかってしまった。

やっと見えた常念小屋。

1204GW常念岳-12一瞬雲がとれて槍の穂先が初めて見えたので、岩陰に隠れながらなんとか撮った。
ここまで降りると風も徐々に収まってきた。

1204GW常念岳-11常念小屋到着。ほとんどの人は小屋の中で停滞か、下山してしまったらしい。

1204GW常念小屋-13蝶槍からまともに休憩をとっていなかった。(立ち止まる程度の小休憩のみ)
約6時間ぶりに風の吹かない場所へ。は〜助かった。

小屋で衛星電話を借りて、一の沢までのタクシーを呼んでもらった。
これから天気もさらに崩れるとの予報。急いでランチを作って休憩し荷物を一旦整え、一気に下山します。

1204GW常念小屋-14小屋を出ると、薄暗い灰色の雲が広がっていた。
突然、雷がドドーーン!と鳴り響き、雹(ひょう)が降って来た。
何なんだ今日の天気は。

まだ稜線上なので、早く樹林帯まで降りたい。風の次はカミナリかよ。
雪の斜面を小走りで降りて行く。途中何度か尻セードで楽んじゃう(笑)

コースタイムをかなり巻くほどのスピード下山。樹林帯に入ってちょっとほっとしたけど。
もうすぐ一の沢。まだ雷ゴロゴロ、雨も降ってました。

1204GW常念岳-15山の神という場所。無事に降りてこれたので、お邪魔しましたと合掌しました。

1204GW常念岳-16一の沢には17時20分に着いた。

地元タクシーの運転手が
「お疲れさまでした、すごい天気でしたね。白馬岳で6人遭難死らしいですよ、爺ヶ岳、涸沢岳でも1人づつ亡くなられてます。」
とこの日の悲報を聞いた。

僕の歩いて来た稜線なんて全くたいした事なく、
他の稜線はもっと天候が荒れていて視界も効かない状況だったと想像ができた。
稜線の強風がこんなに恐ろしいものとは良い経験となりました。

それでも、常念岳から見た空と山々の景色は忘れない。
蝶ヶ岳もまた必ず行く。穂高の絶景を今回見る事ができなかったから。

自分のレベルを見極めて安全に登って行ければ
こんなに素晴らしい経験をさせてくれるものは他にはない。
そして山は無事に下山するのが最も大事だと改めて思った。

 

 蝶ヶ岳~常念岳 DAY2 山行概要

日程    : 2012年05月3日 ~ 05月04日
メンバー  : 二人
行動時間  : 登り 約6時間半

【 DAY2  コースタイム 】
蝶ヶ岳ヒュッテ 7:00 〜 蝶槍 8:00 〜 常念岳山頂 12:00 〜 常念小屋 13:50 〜 昼食
常念小屋出発 14:40 〜 一の沢 17:20 (TAXIで三股駐車場まで戻る 6900円)

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