前日の「後山林道~三条の湯~雲取山 DAY1」の続きです。
朝4時。予定通り朝食を済ませてパッキング。
外に出るとかなり寒い。テント場の周りは深い霧に覆われフライシートも少し濡れていた。
とりあえず雲取山荘まで行き、出発の準備を整える。
5時。山頂へ登り始めた頃、空の色が段々とオレンジ色に染まって来た。
徐々にヘッデンの灯りに頼らなくても周囲の景色を認識できるようになってきた。
そこでようやく気づく。薄暗い登山道の樹々の間からわずかに見えた光景は、どこまでも続く壮大な雲海だったのだ。
期待に胸を膨らましがら樹林帯を抜け出した。
そして標高2.000mの尾根から見えた雲上の大空。
目の前に見える雲海、富士山、頭を出した大菩薩嶺。
生き物のように色彩がどんどん変化する。美しい紫のようなピンク色。
昨夕、山の稜線に沈む夕日はなんとも艶やかなオレンジ色で、完全に沈んだあとも綺麗な色を残していた。
そして沈んだ太陽は寝ている間に地球の裏側をぐるっとまわり、また反対側から顔を出す。(実際は地球が自転しているんだけど) 去る時も、出る時も、空の色をこんなにも美しく染めるのか。
そんな事を思っていた時。ついに。
5時45分。
時間の感覚を忘れて眺めていた。
カメラの設定を変えながら夢中でシャッターを切っていた。
これまで雲海からの日の出は何度か目にした事があったし、どれも感動するものばかりだった。
その中でもこの日見れたご来光は一番素晴らしい光景のひとつだったに違いない。
海のようにどこまでも続く広大な雲海は、完全に太陽が昇ってからも消える事無く優雅に浮かんでいた。
さて、山頂の非難小屋でコーヒーを飲んであたたまり、準備を整えて下山を開始した。
石尾根を下り始めた所でまた新たな絶景が。飛龍山を見ると雲が波のように押し寄せている。
奥秩父山塊の奥には南アルプス、甲斐駒ケ岳も見え展望が良すぎてなかなか歩が進まない。
ゆっくり下っていくと、ついに雲海の中に突入です。
この中はガスで真っ白の世界。
七つ石山の分岐から来た道を戻るように破線ルートのヨモギ尾根を行きます。
倒木も多く、斜面をトラバース気味の登山道はかなり狭くて歩きづらい。人の通ったあとがあまり感じられない荒れた登山道でした。
それもそのはず。
さっき通過した奥多摩小屋からヨモギ尾根の分岐があったんですね(汗)
山と高原地図には分岐が繋がってなかったので、どうやら地図ばかり見ていて、現地をよく見なかった単純ミス。
お陰で1時間ほどザレタ道を進む事になってしまいました。ま、それも良い経験という事で。
ようやく奥多摩小屋直下の分岐まで来て、ある意味正式なヨモギ尾根に合流。
やっと歩き易く気持ち良い登山道になりました。
ヨモギ尾根を下りきると沢に出ます。あとは沢沿いに少し歩いて林道に出るだけ。
なんだか1番ほっとした瞬間でした。前回の雲取山は下山中に転倒して怪我してますからね(笑)
ヨモギ尾根の入り口まで降りて来ました。
後山林道に合流。
林道をてくてく歩いていると、「あ、熊!?」と友人が獣の存在に気付いた。
話をしながら歩いていたので僕は全く気付かなかったけれど、ハッと上を見上げると。。。
かなり高い位置からカモシカが微動だにせずこちらを見ていました。奥多摩でカモシカに会うなんて思いもしなかったのでびっくり。
しかも2頭。
雲取山山頂では雲海の絶景を見て、下山後の最後の最後でカモシカに見送ってもらい、今まで知らなかった奥多摩の素晴らしさを教えられました。同じ山でも毎回違う出会いがあるんだな。また来ます、雲取山。お邪魔しました!
後山林道~三条の湯~雲取山 DAY1 山行概要
日程 : 2014年10月12日
メンバー : 三人
主なピーク : 雲取山 2.017m
行動時間 : 約6時間40分(小休憩含む)
合計距離 : 約13km
【 コースタイム 】
雲取山荘(05:00)・・・(05:40) 雲取山山頂でご来光 (06:40)・・・石尾根 七つ石山(07:45)・・・ヨモギ尾根 奥多摩山荘分岐 (8:45)・・・後山林道(11:40)
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