いつだったか、山中で出会った年配の方がこんな事を言っていた。
「生涯忘れられない景色は、火打山と妙高山の燃えるような紅葉だった」
その言葉が強く自分の中に残っていた。 よし、火打山 & 妙高山は絶対に紅葉の時期に歩こう。と以前から決めていた。 9月下旬。シルバーウィーク。
紅葉最盛期にはまだ早いのは分かっていたけど、この連休を逃すとタイミング合う日がこの先無いので意を決して出発する事に。
雨飾山、火打山、妙高山、新潟焼山などを有する頸城山塊は色々な登山コースが交差しています。
百名山でもある火打・妙高の2座を登るには、笹ヶ峰から出発して高谷池ヒュッテや黒沢池ヒュッテをベースにそれぞれピストンするのが最もメジャーなルートみたい。
最近は縦走が多かったし、2座ピストンって考えるとやっぱり面白くないよなぁ。
可能な限り一筆書きで歩きたいと思い、燕温泉を起点にラウンドするコースに決めた。
黒沢ヒュッテ~高谷池ヒュッテ間はピストンになってしまうけど、こんなコースで。 (画像クリックで拡大)
そして幕営地の高谷池ヒュッテも今回の楽しみの一つ。 湿原の中で開放的な景色を見ながら一晩過ごせるなんて。
7:00 燕温泉を出発
ルートは決めたものの、道の状況は詳しくわからなかったので歩いてみてからのお楽しみ。
1か所だけ、燕新道の沢を渡る箇所が不安である。
橋がないうえに増水時は要注意となっている。 駐車場から温泉街を抜け、5分ほどで登山口到着。早速道が二手に分かれますが麻平方面へ。
惣滝分岐からちょっと寄り道。 日本百名瀑でもある惣滝(そうたき)を見にいく。
途中の登山道には温泉が流れ出ていて硫黄の臭いがすごい。
湯気も出ていて岩も白く変色しています。触ってみるとぬるま湯くらいの温度。
惣滝への道は細く鎖場になっていた。
落ちると崖下へ転落してしまうような所。落石も多い。
進んでいくと一番奥に惣滝が現れた。かなりの大きさ。
滝壺付近まで近づきたかったけど、朝一で登山道も濡れており危険と判断したため、ここで引き返す。
惣滝分岐まで戻って登山再開。
空を見上げれば嬉しい青空。 木々もグラデーションに色付いてきている。
今回登りに選んだ燕新道ルート。出だしから視界の狭い道がずっと続いた
気持ち良い樹林帯ではなく、うっそうとした草むらの中をかき分けていく感じ。
沢に出ると周りも見え開放的な空間。そして再び草むらへ入っていく。
このコースで唯一不安だったところ。
お手製の橋がかけられていて無事に渡ることができた。増水時はこの橋は渡れないので注意だそうです。
ここから本番。ジャングルですか。。 虫も多いなか雑草のトンネルをひたすら進む。
ある程度登ってくると一瞬だけ視界が開けた。 そして堂々とした妙高山の姿。
このあとすぐにガスってしまい視界は真っ白になっていく。
山は隠れてしまったけど樹々の色がきれいだった。
笹もどんどん増え、ついに足元の登山道も見えなくなってしまった
両手でかき分けながら進む。蜘蛛の巣が容赦なく顔面に覆いかぶさってくる
登山道は濡れていてグチャグチャ。深い水溜りもあるため、上も下も注意しなければならない。
この辺りは正直きつかった。
このルートにある「黄金清水」という水場。
おいしいらしいけど、飲み水はたくさん持っていたので飲まなかった。
まだまだ続く。一体ここはどこなんだ。
想像していた登山道と全然違うんだけどね。。 崩落箇所をトラバース。 ここはマイナールートなんでしょうか、登山口では駐車場満車、路上駐車もすごかったのに誰にも会いません。 笹と蜘蛛の巣のジャングルだった燕新道もようやく終わった。正直この道はおすすめできない。 歩いていて息苦しく全然気持ちよくなかった。まぁたまには経験としてありか。 三峰分岐に到着し、いよいよ尾根道に変わった。 標高も高くなったので徐々に紅葉した樹木が見え始める。 突如足元に現れたヤツ。 かわいい、 綺麗、 毒? なんでこんな色? もし食べたら。。 色んな事を考えながらしばらく眺めてた。
黒沢池ヒュッテ到着。
プラネタリウムでも見れそうなドーム型の屋根。
連休中の為、テント泊はもちろん、ザックをデポして妙高山へピストンしている人がたくさんいました。
ここは山に挟まれた高原の為か、ここだけ空気が一気に冷たくなり急に寒くなってしまった。
軽く休憩して出発。茶臼山へ登って行く。
これまでの景色とは一変し、池や針葉樹の庭が広がっていた。
久しぶりに青空も。
パッチワークのように色付いた山。
紅葉にはちょっとだけ早いけどこれはこれで十分綺麗です。
高原を横断する一筋のトレイル。
ここ歩きたい!
ぽつん、ぽつんと歩いているハイカーが見えました。
茶臼山を超えて少し下ると今日の幕営地、高谷池ヒュッテに到着。
目の前が開放的な湿原。印象的な屋根。小さな山小屋です。
テント場の前から。パノラマに広がる草紅葉。良い場所!
っとここでアクシデントが!
テントを設営しようとしたら、ポールが1ヶ所ポキッと完全に折れてました。
なんで?いつも下山後はパーツをチェックしてから閉まっているのにいつの間に折れてたんだろ。。
原因不明です。そしてもちろんこのままではフニャフニャの形で設営なんてできない。
そこでこいつが大活躍でした。
テントポールによくセットで入っているスペアパーツ。
初めて使ったけど使い方は超簡単でした。
折れているところに通してやるだけ。
骨折した箇所に当て木のような役目を果たしてくれます。 これで問題なく設営できました。
あ~折れたポール今後どうすんだろ。かなりショック。
NEMO代理店のイワタニに問い合わせか~。
なんて事ばかり考えてもしょうがない! 水場で顔を洗って気を取り直して、昼食のラーメン食べてとりあえず仮眠。
ちなみにここの水場は煮沸しないと飲めません。こんな時の為にも携帯用浄水器が欲しくなってきました。
30分ほど休憩したらあっという間にこのテントの数。
その後もテント担いだ人がどんどん到着し、歩くのも大変なほど隙間なく埋まっていきました。
またガスが出てきてしまったけど、空荷で火打山へ向け出発。
木道もあり大変整備されています。
緑から黄色への変化。
これが黄金の絨毯のように広がっている。
お椀型の火打山。ここから眺めると結構な迫力だ。
ここから山頂までCT1時間だけど行けるんだろうか。
天狗の庭は紅葉3割~5割ほど。 池塘もあり散歩だけでも十分なほどきれい。
広大な大地に山。初めての山域なので新鮮な光景でした。
やっぱり尾瀬を思い出してしまう。
登っている途中に振り返ると、遠くにお尻のような妙高山が見えた。
すぐにガスが出て展望はなくなってしまった。
山頂直下。整備されすぎていて、丹沢の大倉尾根みたい。
山頂到着です!! CTより早く、天狗の庭から1時間もかからなかった。
時々晴れ間もでてくれて、景色が良いので歩いてて飽きない。
いや~素晴らしいところでした。
これが最盛期にはもっと赤く染まるというから。燃えるような景色が何となく想像できます。
ナナカマドは見事に真っ赤でした。
テント場に戻り、湿原を見渡せるベンチで乾杯。
最近はビール少な目です。その代わりにワインを持ってくるようになった。
おつまみは生パスタゆでて、タラコクリームパスタ。
生食をたくさん持ってきたので、この後のメインは鶏肉とキャベツの塩鍋。
外気温も10度を下回り鍋がおいしい季節となりました。
ごはん食べながら火打山をずっと眺める。
いいね~この山で過ごすゆったりした時間。
夕日が沈むと、空の色がどんどん変化していった。 自然が魅せる空のスライドショー。
そして夜には満天の星。
火打山のシルエット、湿原の庭。そして空には天の川。
素敵なテント場でした。おやすみなさい。
明日はナイトハイクスタート、目指すは妙高山。 2日目に続きます。。
火打山~妙高山 DAY1 コースタイム
日程 : 2015年9月21日(DAY1)
メンバー : 二人
主なピーク : 火打山 2.462m
行動時間 : 6時間40分(昼休憩含まず)
【 コースタイム 】 燕温泉駐車場 7:00 ー 7:15 惣滝 ー 7:35 麻平分岐 ー 8:55 大倉分岐 ー 9:20 三峰 ー 10:10 黒沢池ヒュッテ ー 11:10 高谷池ヒュッテ テント設営&昼休憩 13:40 ー 14:00 天狗の庭 ー 14:50 火打山山頂 ー 16:10 高谷池ヒュッテ
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