前編の続きです。
岡部小屋で休憩したあと、3合目の分岐まで降りて来た。
朝よりわずかに登山者が増えて数名が休憩している。GWなのに本当に人が少ないなぁ。
それはそれで嬉しいんだけど、混み合う登山道を覚悟していたのでちょっと拍子抜けだった。
下山途中に出会った年配の方にルートを伺うと、渋谷登山口まで降りると言って足早に残雪の坂道を降りて行った。僕たちはここを降りずに北側斜面へ向かう。裏磐梯方面だ。
裏磐梯高原が常に見えていた。間近に見える飯豊山をはじめ、素晴らしい眺めがずっと続いた。
画家が油絵で彩色をしたような銅沼。自然が作り上げた不思議な色。
そして残雪が交わる森。目印が少なく迷いやすいよと忠告されたエリア。
しばらくは荒涼とした尾根道が続いた。歩く方向には吾妻連峰が見えていた。
このあたりは有毒ガスが発生する場合があり噴火口には近づかないようにと地図に書いてある。
さっきの山小屋でこの辺の事も聞いてみたけど、大丈夫だって〜、櫛ヶ岳まで登れるよ。と余裕の答えだった。
山と高原地図では櫛ヶ岳へのルートは一切記載されていない。
立ち入り禁止までは書いてないけど、有毒ガスが出たら登山どころではないだろうな。
でも小屋の方が言うように登山道らしきトレースははっきりと付いていた。
どうやらここから櫛ヶ岳へ行けるようだけど。さすがに今日はいいや。元々行く予定も無いし。
このまま川上登山道・裏磐梯登山口方面へ降りて行きます。
荒々しい磐梯山が見えてきた。確かに表とは表情が全く違う。
ガラガラガラ。。っと落石の音もかなり聞こえた。
そんな場所でもフキノトウがあちこちで生きていた。
荒れた斜面を一気に降りて来た。
途中で磐梯山自然保護レンジャーの方とすれ違った。
迷い易いので十分気をつけてください、と言われる。GPS(iphoneのね)、地形図、コンパスは準備している。
広い大地。トレースがここで無くなる。無数に水が流れた跡があり、あみだくじのように地面が掘られている。
裏磐梯の全景。噴火を何度も繰り返した後の姿。南米で見た荒々しい山を思い出した。
緑も岩も無く荒れた砂山のような斜面。
遠くからこの看板が見えたのでここまでは真っすぐこれた。噴気口分岐到着。
ここを右手に行けば川上登山口。ここは裏磐梯方面へ、左へと進む。
いよいよ残雪と森の迷路へ突入。
一人分のトレースがついていたので進むべき道はなんとなく確認できていた。このトレースが正しければの話だけど。
土道になったり、雪の上になったり、トレースが無くなって二手に分かれたり。
クネクネしながら進むと突然沼が現れたり。面白いエリアです。
数は少ないけど、ピンクリボンもちゃんとあります。
間隔は狭く次のリボンが発見しやすかったり、分かりづらかったりとまばら。または極端に全く無い場所もありました。
案の定、ロストした。
あれあれ?これ以上進めない行き止まり。GPSで確認すると僅かに外れた方向へ進んでいた。
少し戻って軌道修正。正規の道と思われる所を発見。バスの時間もあるので少々焦ってしまったようだ。
こんな感じで道が複数に分かれる。目印も無し。
やれやれ、ようやく注意すべきエリアを抜けた。ここまで来ればもう迷いようは無い。
あとはスキー場を降りていくだけ。
裏磐梯スキー場の駐車場を通り過ぎ、林道を歩いていると1台の車が止まってくれた。
よければ乗っていきます?
えー、本当にいいんですか?はい!(喜んで)
という事で親切に五色沼入り口まで乗せて頂きました。歩いたら45分くらいの林道歩きだったけど一気にワープ。
この方は宮城県から来ているそうで、昨日は一日中カヤックでのんびり湖をまわっていたとか。
山頂から降りて来たと言うとびっくりしていた。
この方も僕たちが降りて来た逆ルートで山頂を目指したが、あのエリアでルートをロスしてしまい諦めて帰ってきたらしい。やはり迷い易いのはみんな一緒だったみたいだ。
それにしても楽しいお話ができ、そして乗せて頂きありがとうございました。疲れた足には天のお誘いでした本当。
五色沼自然探勝路
下山を終えた疲労感と安堵感。時間に対して少々の焦りがあった。でも車送迎のお陰で想定より早く着いた。
あとはお楽しみのデザート、五色沼自然探勝路。
しかしこの日はかなりの暑さで、気持ち良いと感じる気温のはるか上をいっていた。
おまけに観光客(自分もですが)の混み具合がすごくて一気に都会に来た感じです。
裏磐梯高原駅から五色沼入口までは約4kmの平坦なコース。
いきなり桜と綺麗な沼が迎えてくれて思わず笑顔。
スタスタと足早に周ったので、それぞれの沼の名前、由来等は割愛。
五色沼群は様々な青色の沼がありました。ユーシン渓谷のバスクリンを思い出してしまった。
時々、木道が続いたり清流が流れているのを間近で見れたり。
飽きる事のない自然豊かなハイキングコース。
森を一旦抜けると突然この景色が広がる。
そしてまた緑眩しい森の中へ。
最後は五色沼最大の毘沙門沼。沼と言うより湖のようだ。
ここから磐梯山を眺める事ができました。
今朝、反対側から登り始め、あそこの山頂からここまで降りて来たんだという実感に浸る。
しばらく眺めて居たかったけど、バスの時刻が迫ったのでこれにて終了。
バスで猪苗代駅まで戻り、駅前のタクシーを拾って登山口まで戻り車を回収。
山行後の美味しいご褒美
五色沼で食べたジェラート。
名物の塩ソフトと山ぶどうのミックス。下山後の甘いアイスはなんでこんなにうまいんだ。
福島に来たらやっぱりこれこれ。喜多方ラーメン。
醤油ベースにトロトロチャーシューがてんこ盛り。今日は山でおにぎり、パンの行動食のみだったので思いっきり食べてやりました。もうメチャクチャおいしかったです。
しかもこのお店の窓からは磐梯山が見えてました。
表磐梯と裏磐梯の両方を歩きたい、プラス五色沼という欲張りコースでしたが、危険箇所も少なく歩き甲斐もあって良い一日でした。
山頂から見えた初めて見渡す東北の山々。日本は本当に山が多いな。魅力が多い。美しい。だからまた山へ出かける。
磐梯山、次は違う季節、違うコースでまた来ます。お邪魔しました。
表磐梯〜裏磐梯〜五色沼縦走 山行概要
日程 : 2015年5月3日(日帰り)
メンバー : 二人
主なピーク : 磐梯山 1.816m
行動時間 : 7時間50分(休憩40分含む)
合計距離 : 約16.3km
【 コースタイム 】
5:00 猪苗代登山口 – 6:20 1合目 – 07:35 天狗岩(3合目) – 08:00 岡部小屋(4合目) – 08:20 磐梯山山頂 – 09:05 岡部小屋(休憩) 09:45 – 09:50 天狗岩(3合目) – 10:25 火口分岐 – 11:25 裏磐梯登山口 – 11:30 五色沼探勝路 – 12:50 五色沼入口バス停
うーん、最高ですね^^
1月に行きましたが(登ってませんw)雪がないとまた違うイメージですよね。当たり前なんですが^^;;
銅沼で踏み抜いて片足が落水したのが懐かしいですw
櫛ヶ峰、登れるんですね・・・地図にルートないので無理だと思ってましたが、トレースあるんですね。
あの形、好きです。
五色沼もやっぱりこの時期が綺麗ですね。。
もう1回、時期改めて行こう!と思わされる記事でした(笑)
お疲れ様でした〜
u10さん
ありがとうございます、名峰と言われるだけあって展望も最高でした!
山と自然の醍醐味を1日で味わえた気がします。
地図通り櫛ヶ峰までは登れないと思っていたのですが、実際には尾根沿いにハッキリと登山道がありました。でも相当ザレた砂道で危険そうでした。
1月の記事拝見しましたよ〜。銅沼から見上げる櫛ヶ峰は本当にかっこ良いですね。
厳冬期の銅沼に落水って本当怖いw って笑えないですよね。
次は秋や冬景色の五色沼も歩きたいなと思っています。