7月の3連休は台風11号の影響で天気は下り坂。
特に連休初日の土曜日は最悪の天気予報。
台風11号は日本海側へ抜けてくれたので、台風一過の快晴を期待していた。
しかしこれは大きな間違いで、台風が日本海側へ抜けた後、北アルプスは荒天になるというのが常識なようです。
ずっと登りたかった西穂高へ。登山開始は日曜日。
新穂高からロープウェイで登るより、できる限り歩いて稜線へ出たかったので、まずは中ノ湯から焼岳へ登り、そのまま西穂高へ縦走し、西穂山荘でテント泊、翌朝は上高地へ下山という計画です。
4:50 新中ノ湯ルートから出発
朝から灰色な空だった。気温が上がれば晴れるのかな。
天気予報では午後から下り坂。稜線では落雷の危険もあるとか。
時間と天気を見つつ、エスケープの場合は途中で上高地へ下山という事にした。
久しぶりの北アルプス。曇っていても歩き始めれば気分は高揚してくる。
今日は嫁と友人の3人パーティー。
前日の雨でグチャグチャの登山道。
慎重に進んでたのに、池塘のような泥沼に見事に片足を突っ込んでしまい、その反動でデジカメを沼へ落としてしまった。
泥だらけのデジカメを拭きながら歩いていると、焼岳を見渡せる広場に着いた。
しかし真っ白で何も見えない。
こんな道がずっと続く。
わかっていたけど、足軽に行きたかったので全員ローカットシューズ(笑)
ソックスはDRYMAXを履いていたので乾きの早さには驚いたけど。
焼岳は紅葉の時期が最も人気らしい。
このナナカマドが真っ赤に燃えるのか。相当きれいだな。
森林限界。
相変わらず視界は悪く、太陽すら出ない。
ようやく空の隙間から太陽が現れると、みるみるうちに視界も晴れ、目の前に大地が広がった。
眼下の上高地は日光に照らされ、キラキラと緑が輝き出す。
目の前に立ちはだかるのはダイナミックな火山、焼岳だ。
周囲には笠ヶ岳や乗鞍岳、進むべき稜線の先には穂高岳。
圧倒的な山岳風景。その瞬間にいま出会える。
なんて事を想像したりさ。
で、現実。(ガスってるのも嫌いじゃないんだけど)
見事に岩と同化して最初は存在に気が付かなかった。
ライチョウ。つがいだった。本当かわいいね。
焼岳南峰と北峰の分岐点。
南峰の方が標高は高いが現在も立ち入り禁止なので北峰へ進む。
近くにはモクモクとガスが噴き出している。硫黄の匂いもすごい。
御嶽や箱根大湧谷の件もあるし、噴火警戒レベル1(活火山であることを留意というレベル)は1番低いものの絶対に噴火しないとは誰も言いきれない。
焼岳山頂に到着。
どんな山でも登頂は嬉しい!
山頂からの絶景はこちら!(泣)
早速降りますよ。
まだ雨は降っていない。ここで引き返すという選択肢もあるにはあったけど、
予定通り焼岳小屋へ向かう。
雨水をたんまりと抱えたイワハゼ。
真っ白な視界のなか出会えた紫色。やたらと綺麗だった。
アザミは種類が多過ぎて何アザミなのかはわからない。
中尾峠分岐。
しばらく歩くと焼岳小屋が現れた。ほっとする瞬間。
Tシャツ両方ともかっこいい。買えばよかった。。
8:30 進路を考える
ここからが西穂高山荘への縦走ルート。
3時間以上の樹林帯が続き、さらに降雨後は水たまりの悪路となるらしい。
時刻は8時半。昼には西穂山荘に着けるだろう。
でも全く回復しない天気。朝よりもガスっている。
雨で濡れた岩。さらに夕方から落雷の予報。
はい、撤収〜!
満場一致で上高地へ下山する事にしました。
帰りに見えた霞沢岳。この瞬間がこの日一番の展望。
焼岳小屋~上高地のコースで有名な梯子場。
梯子場のあたりから見えた大正池。
梯子がいくつか続く。道幅も狭い。
続々と登ってくる登山者とすれ違うのがちょっと大変だった。
さらに大変なのは虫。アブ、ブヨ、コバエ?顔の周りにまとわりついて離れない。
呼吸すると口や鼻から入ってくる。モスキートネットがほしかった。
薄暗い樹林帯をひたすら降りていく。
少し明るくなった頃、上高地らしい森になった。
木の匂い、野鳥の声、虫もいなくなり一気に雰囲気が変わる。
10:40 上高地へ下山完了
下山完了。このまま河童橋へ行くにはまだ時間が早い。
ちょっと遠回りだけど、逆方向へ戻り大正池、自然探勝路を巡ることにした。
作業用道路を進む。人もいなくて森が綺麗でかなり良い道だった。
大正池。1915年の焼岳の噴火により梓川がせき止められてできた池。
ここから穂高や焼岳を眺められるはずんだけど、今日はさすがにね。
それでもここの空気感というか、目に飛び込んでくる鮮やかな色。綺麗だった。
自然探勝路を歩いて河童橋到着。
結構雨が降っている。下山してきて正解だ。
河童橋から。あのモヤモヤの向こうが見たい!
初めて上高地に訪れた時、
なんて美しいんだ!って感動した場所。こんな雨の日でも美しさは変わっていなかった。
雨はいよいよ本降り。
徳澤でテント張ろう!という計画も断念し一番近い小梨平で張る事に。
上高地で山を眺めながらお風呂! 上高地アルペンホテルがおすすめ
テント設営後はお風呂タイム。
河童橋から徒歩5分。森の中にある立派なホテル「上高地アルペンホテル」に立ち寄りました。
こんな素敵な場所で日帰り入浴が600円。下山後の登山者にはなんともありがたい。
レインウェアにザック背負って入るのがちょっと申し訳ないな、と思うような素敵な外観。
でもここは登山者の受け入れ態勢はばっちりです。乾燥室まで完備されてました。
ホテルのロビー。温泉に入ったあとはここでくつろぐ事ができる。
ドリンクバーもあり、上高地の森や館内の山岳写真を眺めながらコーヒーを飲んで過ごせる。
今日はかなり汗をかいたし、雨に濡れて疲労している体には極上すぎるお風呂でした。
そして連休中にも関わらずゆったりとした時間が過ごせた。
もちろん!入浴後に頂いたのは上高地の地ビール。
ドイツ製法で作られたケルシュを頂きました。
アルプスホルン。いつか開山祭来てみたいな。
このホテルを運営されている方に、
上高地や北アルプスの山々のお話などお伺いする事ができました。
ここ上高地アルペンホテルは徳澤にある徳澤ロッジも運営されています。
現在は改装工事中ですが、来年リニューアルオープン(お風呂もリニューアル!)という事で、穂高や槍ヶ岳の帰りにぜひ立ち寄りたいですね。
下山後の素敵な時間を過ごせました。ありがとうございました、お邪魔しました。
止まない雨 ついに土砂降りに
お風呂でさっぱりし、体がフニャフニャの状態でテントに戻ると大粒の土砂降りになってしまった。
友人のテント、ルナソロもトラブルで前室から雨水が入ってきて浸水状態の危機!?
激しい雨は止みそうにないし、まだ15時だし、もうテント撤収して帰りましょうか!
明日は早朝から帰るだけという予定だったので、もうやり残すことはない。
という事で早速テントを撤収し、余った食材を全部食べ切ってから帰ることになりました(笑)
まぁ天気には逆らえないからね。
小梨平の炊事場で宴会開始。
帰りは友人が運転しくれるので、僕は遠慮なく飲ませて頂きます。
土砂降りの上高地で飲むビール。
そして赤ワイン。
チーズフォンデュ。
絞めはペンネアラビアータ。
一気に食べ過ぎたけど大満足。ステーキもめちゃくちゃおいしかった。
そして帰り際、上高地へ別れを告げるように誰もいなくなった河童橋へ。
穂高の女神は最後に微笑んでくれるのか!?
…帰ります。
帰りの上高地から中の湯まではタクシーで3700円でした。
バスだと釜トンネルで降りてから1時間林道を歩かなければならないので、
中の湯に車を置いて焼岳周回する場合は、帰りはタクシーのほうが断然良いです。
今回は計画より変更に次ぐ変更で結局日帰りとなったけど、結果下山してきてよかった。
また天気の良い日に来ればいい。その時に今日の悔しさを思い出しながら。
何度来ても素晴らしい上高地。お邪魔しました。また来ます。
焼岳(新中ノ湯ルート)~上高地 山行概要
日程 : 2015年7月19日(日帰り)
メンバー : 3人
主なピーク : 焼岳 2.455m
行動時間 : 7時間50分(小休憩含む)
合計距離 : 約13.6km
【 コースタイム 】
4:50 焼岳登山口 – 7:30 焼岳北峰 – 08:10 分岐 – 08:25 焼岳小屋 – 10:40 焼岳登山口 – 11:20 大正池 – 12:00 田代橋 – 12:30 河童橋 – 12:40 小梨平キャンプ地
COMMENT