いよいよピラミッドへ。
世界中の観光客が訪れる屈指の古代遺跡。エジプト観光のハイライトだ。
さて、カイロからはローカルバスで行くか、地下鉄で行くか、タクシーで行くか。。
個人で行く場合、行き方は何通りがあるけど僕は迷わずバスに決めた。
流れる景色をみながら、遠くから段々と近づいてくるピラミッドが見たいと思ったからだ。
正午になると暑くなりすぎて観光には向かない為、早めに到着するよう朝8時に宿を出発した。
中心街のバスターミナルに到着。しかしどのバスが「ギザ行き」なのかさっぱりわからなかった。
たしか「357番」だと思うんだけどな~。周りのエジプト人に聞きまくってみたが、みんな違う答えを言うので余計わからなくなってしまった。
バスは引っ切り無しに次から次へとやってくる。
仕方なく、バスのおでこに記載されている番号を自分で見極めながら待ってみた。
どうせ覚えなきゃ。と日本から長時間のフライト中、アラビア数字を1から10までは頭に叩き込んできた。
ギザ行きの「357」とアラビア数字で書かれたバスが来た時、すかさず手を挙げ飛び乗った。
357番バスは、ギザ行きのエアコン付き大型バスだ。運賃2ポンド(40円)。
ほんとはもっと運賃が安く、エアコン無し、人がギュウギュウ詰めのマイクロバスもあるんだけど。
1番前に座り、少年の様にわくわくしながらフロントガラスの向こうを見ていた。
市内から40分ほど走った時、街の背後から突然クフ王のピラミッドが姿を表した。
うわー。でかい!
なんの変哲もない感想だけど、おそらく初めてピラミッドを見た人全員が思う率直な感想だと思う。
僕は心臓の鼓動を抑えながらグングン近づいてくるピラミッドに興奮していた。
以前アンコールワットを初めて見た時もこのような感動と興奮を味わったものだ。
しかし突然、入り口まであと3kmくらいの所で急にバスが故障して動かなくなってしまった。
日本ではありえない事だがここはエジプト、現実を飲み込むしかない。
運転手はあきらめ、あとは歩いてとっとと行ってくれと言った様子だ。
隣のイギリス人女性は怒っていたけど、逆に僕は歩くのも悪くないと思い、近づいてくるピラミッドを眺めながら入り口までゆっくりと歩いて向かった。
国際学生証を見せつけ、割引価格で入場ゲートを抜ける。
三大ピラミッドの周りをゆっくり進む。
遠くに展望台が見えた。
砂漠のなかをイメージしていたが、意外と整備されておりアスファルトの1本道を歩き続けた。
団体観光客のバスが後ろからビュンビュン自分を抜かして行く。
意外にも歩いているのは自分一人。
僕は一人なので「奴ら」からしたら格好の的なのだ。
早速、遠くのほうからラクダ引きの親父が手を振ってくる。
「1時間10ドルでラクダに乗らないかミスター?」
ノーサンキュー、僕は自分で歩きたいんだ。
と何十回言っても親父はしつこくしつこく引き下がらない。
時間が経つと共に値段はどんどん下がる。
8ドル、6ドル、え〜い5ドルでどうだ。
断り続けているとついに4ドルまで下がった。
ラクダ親父の顔を見ると嬉しそうだ。さあ乗れ乗れと手を広げている。
それでも断ると、ついに親父その1があきらめて他の客を探しにどっかへ行った。
その様子を見ていた親父その2がすぐに現れた。
こんな調子で、炎天下のなかピラミッド遺跡群のなかを3時間くらい歩き続けたので
何人ものラクダ親父を断り続けなければならなかった。
正午。太陽がギラギラと照りつける。
歩いていると、とうとうラクダ親父もバテタのか日陰で昼寝を始めてしまった。
ピラミッド内部へは入らなかったけど、この他にも小さな遺跡内を見学したりと十分に観光をした。
帰りはギュウギュウ詰めの小さなローカルバスでギザの大学へ寄り道。
大学内を見学して地下鉄のギザ駅まで歩き、カイロ市内へ帰った。
帰り道、カイロ駅で翌朝出発の長距離列車の切符を買った。
ナイル川に沿って南下する事約1000km。14時間の列車の旅。
エジプト最南端の遺跡「アブシンベル大神殿」を見に行く為、起点となる街「アスワン」へ向かう事にした。
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